無料DAWおすすめ比較 2026年版

作曲・編曲家 古賀 稔宏
「それいけ!アンパンマン」劇場版関連楽曲の作曲・編曲、Do As Infinity関連楽曲、アニメ楽曲、滝沢歌舞伎BGMなど、商業音楽の制作・演奏に携わる。
DAWは、パソコンやスマホで曲を作るためのソフトです。録音する、音を打ち込む、音量を整える、完成した音源を書き出す。DTMで最初に触る作業の多くは、DAWの中で行います。
無料DAWを選ぶ時に大事なのは、いちばん高機能なものを探すことではありません。迷ったら、先に「自分の環境で音が出る」「保存できる」「外で聞ける音源に書き出せる」の3つだけを見ます。今日やることは、候補を1つ決めて、短い音を鳴らして保存するところまでです。
迷った時の選び方
DTMが初めてなら、候補を増やさず、まず1つだけ触れる状態にします。
- Macなら、まずGarageBand
- Windowsなら、公式で今も無料配布されているDAWを確認
- インストールが不安なら、ブラウザで短く試せる環境から始める
- 決めたら、音出し、保存、書き出しだけを先に試す
最初に知っておくこと
DAW選びは、音楽の才能を決める話ではありません。
DTMを始める時、多くの人はソフト名の多さで迷います。
GarageBand、Waveform Free、Cakewalk、LMMS、Audacity、Cubase、Logic Pro。名前だけ見ると、どれを選べばいいのか分からなくなります。
けれど、最初に見る場所はもっと少なくて大丈夫です。
作曲のレッスンでも、最初に止まる原因は「高度な機能が足りない」より、「音が出ない」「どこに保存したか分からない」「書き出しが分からない」のほうが多いです。
だから最初のDAW選びでは、プロ向け機能より入口の分かりやすさを優先します。
用語も最初から全部覚えなくて構いません。
MIDIは、音符の情報を打ち込むためのもの。オーディオは、録音された音そのもの。プラグインは、音源やエフェクトを追加する道具。このくらいの理解で始められます。
最初に避けたいのは、比較を読みすぎて何も触らない状態です。DAWは、画面を見ているだけでは分かりません。
無料DAW選びは、一度で完璧に決める必要もありません。後で別のDAWへ移っても制作の基本の流れは変わらないので、入口で止まらないことを優先します。
環境別のおすすめ
最初は、使っている環境で分けると迷いにくくなります。
Macを使っているなら、まずGarageBandを触ってください。
Apple公式はGarageBandをMacの中の音楽制作スタジオとして案内しており、音源、ギターや声のプリセット、Drummer、ループ、録音、編集、共有まで一通り入っています。最初の1曲を作る入口として分かりやすいです。
Windowsを使っているなら、無料DAWの記事に出てくる名前をそのまま信じすぎないほうが安全です。
古い記事には、今と条件が違う無料版が残っていることがあります。Waveform Free、Cakewalk Next/Sonar系、LMMSなどを候補にしながら、公式ページで今の無料範囲を確認します。
インストールが不安なら、ブラウザやスマホで音を並べられる環境から始めても構いません。まず音を置く感覚を知る入口としては役に立ちます。
ただし、録音、ミックス、外部プラグインまで学びたい場合は、あとでインストール型DAWに移る可能性があります。
歌やギターを録りたい人は、録音できるかを先に見ます。メロディやコードを打ち込みたい人は、ピアノロールと付属音源を見ます。ループを並べて遊びたい人は、素材の探しやすさを見ます。
作りたいことが違えば、選ぶDAWも変わります。
無料DAWを選ぶ基準
初心者は、機能表を全部読む必要はありません。
1つ目は、対応OSです。Mac専用のDAWはWindowsでは使えません。
Windows対応と書いてあっても、必要なOSバージョンが合わないことがあります。ダウンロード前に、自分のパソコンで動くかを確認します。
2つ目は、音出しの分かりやすさです。ソフトを開いて、ピアノやドラムの音を鳴らすまでが遠いと、最初のやる気が削られます。
初心者向けには、付属音源やループが最初から入っているDAWが扱いやすいです。
3つ目は、保存と書き出しです。保存は、作業中のプロジェクトを残すこと。書き出しは、完成した音をWAVやMP3のような音源ファイルにすることです。
ここが分かりにくいDAWは、最初の1曲まで遠くなります。
4つ目は、日本語情報の探しやすさです。無料DAWは海外製も多く、画面やマニュアルが英語中心の場合があります。
困った時に日本語で調べられるか、使っている人が多いかも初心者には大事です。
5つ目は、後から移れるかです。最初は無料で始めて、必要になったら有料DAWへ移る。この流れで問題ありません。
そのため、作ったMIDIやオーディオを書き出せるかを見ておくと安心です。
MacならGarageBand
Macユーザーは、最初にここから始めると分かりやすいです。
GarageBandは、MacでDTMを始める人にとってかなり入りやすい無料DAWです。
音源、ループ、録音、編集、ミックス、書き出しまで一通り触れます。最初から音源を買い足さなくても、曲の形を作れます。
ギターや声を録りたい人は、プリセットを選んで録音できます。打ち込みをしたい人は、ピアノやドラムの音を選んで音符を置けます。
ループを使えば、ドラムやベースの素材を並べるところから始められます。
弱点は、Windowsでは使えないことです。Windowsの人がGarageBandの記事を読んでも、そのまま同じ環境は作れません。
Windowsの場合は、別の無料DAWを選びます。
Macで始めるなら、最初の目標はGarageBandを全部覚えることではありません。
ピアノ音源を鳴らす。ドラムを置く。短いメロディを入れる。保存する。書き出す。ここまでできれば、最初の入口は十分です。
Windowsは古い情報に注意
無料DAWの記事は、情報が古くなりやすい分野です。
Windows向けの無料DAWを探すと、いろいろな名前が出てきます。
Waveform Free、Cakewalk by BandLab、Cakewalk Next、Cakewalk Sonar、LMMS、Audacity、Studio One Primeなどです。ただし、この中には古い情報として残っている名前もあります。
特に注意したいのは、昔の無料版を今も同じように使えると思い込むことです。
製品名が変わったり、無料範囲が変わったり、アクティベーションの条件が変わったりすることがあります。
Waveform Freeは、公式ページでWaveform Freeとして案内され、無料ダウンロードへの導線があります。
Windowsでインストール型の無料DAWを探すなら候補になります。ただし、対応OSや無料範囲は公式ページで確認してください。
Cakewalk系は名前が似ているため混同しやすいです。旧Cakewalk by BandLab、Cakewalk Next、Cakewalk Sonarを同じものとして扱わないほうが安全です。
古い記事で「完全無料」と書かれていても、今の公式情報を見て判断します。
録音、打ち込み、ブラウザ制作で分ける
やりたい作業で、向いている入口が変わります。
歌やギターを録りたいなら、録音が分かりやすいDAWを選びます。
マイクやオーディオインターフェイスを使う場合は、入力設定が必要です。ここで止まりやすいので、録音方法の情報が探しやすいものが向いています。
メロディ、コード、ドラムを打ち込みたいなら、ピアノロールが見やすいものを選びます。
ピアノロールは、音符を画面に置く場所です。鍵盤が弾けなくても、マウスで音を置いて曲を作れます。
電子音楽やループ制作を試したいなら、LMMSのような無料・オープンソース系の制作アプリも候補になります。
打ち込みやループには向きますが、録音中心のDAWとして使う場合は向き不向きを確認します。
音を並べる感覚だけ先に知りたいなら、ブラウザやスマホで使える制作環境も入口になります。
まず遊ぶ。次に保存する。もっと作りたくなったらインストール型DAWへ進む。この順番でも問題ありません。
初心者向け比較表
順位ではなく、自分の入口を選ぶための表です。
| 候補 | 向いている人 | 最初に見ること | 注意点 |
|---|---|---|---|
| GarageBand | Macで初めてDTMを触る人 | ピアノ音源、ドラム、ループ、書き出し | Windowsでは使えない |
| Waveform Free | WindowsやMacで無料DAWを探す人 | 対応OS、無料範囲、保存、書き出し | 公式ページで最新版を確認する |
| Cakewalk Next/Sonar系 | Cakewalk系を使いたい人 | 無料枠、会員条件、保存、エクスポート | 旧Cakewalk by BandLabと混同しない |
| LMMS | 打ち込みや電子音楽を試したい人 | MIDI入力、音源、書き出し | 歌やギター録音中心なら要確認 |
| Audacity | 録音や音声編集をしたい人 | 録音、波形編集、書き出し | 曲作り用DAWとは分けて考える |
| ブラウザ制作環境 | インストール前に音を並べたい人 | 保存、共有、書き出し | 本格的なDAW学習とは別枠 |
選んだ後にやること
DAWを決めたら、長く悩む前に短く試します。
DAWを1つ選んだら、最初にやることはシンプルです。
- ピアノの音を鳴らす
- ドラムを鳴らす
- 短く保存する
- WAVかMP3で書き出す
これだけで構いません。
いきなり長い曲を作ろうとすると、音色、コード、ドラム、メロディ、ミックスが全部同時に出てきます。最初は混乱しやすいです。
だから、4小節だけで十分です。
たとえば、C、Am、F、Gというコードを4小節置きます。次にドラムを入れます。最後に短いメロディを入れます。
音が仮でも、保存して書き出せたら成功です。
この作業で、DAWが自分に合っているかが少し見えます。
音を出すまでが分かりやすいか。保存場所が分かるか。書き出した音源をスマホで聞けるか。初心者にとっては、ここがとても重要です。
うまく鳴らない場合も、すぐ別のDAWに変えなくて大丈夫です。
パソコンの音量、DAWの出力先、ヘッドホンの接続、トラックの音量を順番に見ます。何を変えたら音が出たのかを一言メモしておくと、次に同じ場所で止まりにくくなります。
有料DAWへ移るタイミング
無料DAWで短い曲を作ってから考えます。
最初から有料DAWを買っても構いません。
ただ、無料DAWで一度音を出し、保存し、書き出してから考えるほうが失敗しにくいです。何が足りないのかが分かってから買うほうが、選び方が具体的になります。
有料DAWへ移る目安は、録音トラックを増やしたい、外部プラグインを使いたい、ミックスを細かくしたい、仕事や発表用に安定した環境を作りたい、といった理由が出てきた時です。
逆に、まだ音出しや保存で迷っている段階なら、DAWを変えるより今の環境で短い制作を増やすほうがよい場合があります。
道具を変えると、操作も覚え直しになります。
無料DAWで作った曲は、MIDIやオーディオとして書き出しておくと移行しやすくなります。
コード、ドラム、ベース、メロディを別々に残しておくと、新しいDAWでも再配置しやすいです。
よくある疑問
DAWとは何ですか
録音、打ち込み、編集、ミックス、書き出しをする音楽制作ソフトです。DTMを始める時の作業場所だと考えると分かりやすいです。
無料DAWだけで1曲作れますか
作れます。大事なのは、無料範囲で保存と書き出しができるかです。付属音源だけでも、短い曲なら十分に形にできます。
MacならGarageBandだけで十分ですか
最初の1曲には十分です。録音、打ち込み、ループ、書き出しまで触れます。細かい編集や本格的なミックスが必要になった段階で、Logic Proや他のDAWを検討します。
WindowsでGarageBandは使えますか
通常のWindows環境では使えません。Windowsでは、Waveform Free、Cakewalk Next/Sonar系、LMMSなどを候補にし、公式ページで現行の条件を確認します。
最初にプラグインを入れるべきですか
最初は入れなくて構いません。付属音源で音を出し、保存し、書き出す流れを先に作ります。足りないものが分かってから追加します。
確認した公式情報
無料版、対応OS、価格、アクティベーションは変わります。導入前に公式ページで最新情報を確認してください。
無料配布|アンパンマン劇場版楽曲を手がけた作曲家の「制作工程マップ」
音出しからフルコーラス完成までの6工程を1枚にまとめた無料マップです。楽器が弾けなくても、譜面が読めなくても、順番どおりに進めば1曲は作れます。登録するとPDFと、工程ごとのコツをメールでお届けします。
次に進む記事
DAWを決めたら、制作の順番へ進みます。