古賀稔宏の作曲ノート

DTM初心者は何から始めるべきか

DTMはできることが多すぎます。最初から全部を覚えようとせず、1曲が形になる順番で進めます。

この記事の結論

最初の目的はソフトを完璧に覚えることではありません。音を出し、短いコード進行を置き、ドラムとメロディを乗せ、曲として聞ける形を作ることです。

  • 音が出る環境を作る
  • 4小節のコードを置く
  • 簡単なドラムを入れる
  • DAWを全部覚える前に、音出し、コード、ドラム、メロディで8小節を作る

この記事で解決すること

この記事では、DTM初心者が最初に触る順番を、1曲が形になる流れから決めます。

  • DTMを始めたが何から触ればいいか分からない
  • 機材や理論を調べるほど迷っている
  • 数小節だけ作って止まる
  • フルコーラス完成までの道筋が欲しい

まず確認する順番

機材や理論を広く調べる前に、音が鳴る状態から短い曲の形まで進めます。

  1. 音が出る環境を作る
  2. 4小節のコードを置く
  3. 簡単なドラムを入れる
  4. 鼻歌からメロディを作る
  5. 8小節から1コーラスへ広げる
  6. 必要な音だけ足す
  7. フルコーラスへ展開する

確認の流れ

  1. 01音出し
  2. 028小節
  3. 031コーラス

最初に覚えるべきなのは順番

DTM初心者が迷う理由は、やることが多すぎるからです。DAW操作、音楽理論、機材、音源、ミックス、マスタリング、歌入れ、アレンジ。全部を同時に調べると、どれも中途半端になって止まります。

最初に必要なのは、知識の量ではなく順番です。音が出る環境を作り、コードを置き、リズムを入れ、メロディを乗せ、短い曲にする。この流れを一度通すと、調べた情報がどこで使われるか分かります。

音出しは作曲の前段階

CubaseやMIDIキーボードで音が出ない状態では、作曲の判断ができません。コードが合っているのか、メロディが気持ちいいのか、リズムが乗っているのかを耳で確認できないからです。

MIDIキーボード、オーディオインターフェイス、音源トラック、出力先。このあたりで止まっている場合は、まず環境を整えます。ここは音楽センスではなく、信号の通り道の問題です。

コードは王道で始める

最初から珍しいコード進行を探す必要はありません。C、Am、Dm、Gのような王道進行で十分です。大事なのは、コードを鳴らして曲の土台を体感することです。

初心者向けの入口としては、Cキーのダイアトニックコードから始めると迷いにくくなります。C、Dm、Em、F、G、Am、Bm(b5) の範囲だけでも、曲の土台は作れます。

ドラムは口で歌えるリズムから

ドラム未経験者が、最初から譜面や細かい名称で考えると止まりやすくなります。まずは口で歌えるリズムを、キック、スネア、ハイハットへ置き換えます。

ドン、タン、ツツツという感覚で十分です。コードだけでは平面だったものにリズムが入ると、曲として動き始めます。

メロディは鼻歌から作る

メロディは鍵盤で正解を探すより、まず口に出した方が早いことがあります。鼻歌は、頭の中のイメージを外に出す最短の方法です。

音程が不安定でも構いません。上がる、下がる、伸ばす、繰り返すという形を掴み、それをMIDIに移して整えます。歌えるものは打ち込めます。

1コーラスからフルコーラスへ

短い8小節だけで終わるのではなく、まず1コーラスとして聞ける形へ広げます。その後、イントロ、2番、間奏、ラストへ展開してフルコーラスにします。

フルコーラス完成が本流です。ただし途中の到達点として、短い構成や1コーラスを使うと迷いにくくなります。最初から全部を同時に作るのではなく、工程として広げます。

状態別の見方

同じ悩みに見えても、見る場所が違うことがあります。今の状態に近い行から確認してください。

今起きていること見る場所次にやること
DTMを始めたが何から触ればいいか分からない最初の目的を音出しに絞る音が出る新規プロジェクトを作る
機材や理論を調べるほど迷っている今すぐ曲に必要なものだけを見るコード、ドラム、メロディの順に置く
数小節だけ作って止まる8小節の役割を決めるAメロかサビとして整理する
フルコーラス完成までの道筋が欲しい1コーラスを中間目標にするイントロ、2番、間奏へ広げる

15分で確認すること

最初は範囲を広げすぎず、下の項目だけを順番に見ます。

  1. 音が出る環境を作る
  2. 4小節のコードを置く
  3. 簡単なドラムを入れる
  4. 鼻歌からメロディを作る

15分では、音出しと4小節コードまでで十分です。最初から全部の機能を覚える必要はありません。

30分かけて見る場合

15分で解決しない場合だけ、少し広い範囲を確認します。

  1. 8小節から1コーラスへ広げる
  2. 必要な音だけ足す
  3. フルコーラスへ展開する

30分見る場合は、コード、ドラム、鼻歌メロディまで置き、8小節として聞ける状態にします。

次の制作作業へつなげる

最初の目的は、知識を増やすことではなく、曲が進む順番を体験することです。

DTM初心者が止まりやすいのは、できることが多すぎるからです。だから最初は、音出し、コード、ドラム、メロディ、1コーラス、フルコーラスという一本道を作ります。

この順番で進めると、調べる内容も絞れます。今必要な知識だけを取り入れながら、最終的にはフルコーラス完成へ広げます。

実践ワーク

読んだあとにやること

  1. 音が出る新規プロジェクトを作る
  2. C、Am、Dm、Gを4小節で置く
  3. 簡単なドラムを重ねる
  4. 鼻歌を1フレーズ録る

完成度より、音が鳴って曲の形が少し見えることを優先します。最初の成功体験が次の作業につながります。

よくある失敗

知識不足より、確認する順番を飛ばして問題が大きくなることがあります。

  • DAWを完璧に覚えてから作ろうとする
  • 機材比較だけで数週間使う
  • 理論を理解するまで音を鳴らさない
  • 8小節で止まって完成工程を見ない

次に読む記事

最初の流れが見えたら、コード、ドラム、メロディの記事へ順番に進むと迷いにくくなります。

古賀稔宏のプロフィール写真

プロフィール

古賀 稔宏

ギター、ウクレレ、DTM(Cubase)、作曲技法、音楽理論を指導。14歳でギターを始め、同時に作曲も始める。ポップ、ロック、クラシックの要素を含む楽曲を得意とする。

「それいけ!アンパンマン」劇場版関連楽曲の作曲・編曲、Do As Infinity関連楽曲、アニメ楽曲、滝沢歌舞伎BGM、堂本光一ソロアルバムへのギタリスト参加など、商業音楽の制作・演奏に携わる。

プロはどうやって1曲を作るのか

古賀稔宏の「1曲完成までの制作工程マップ」では、音出しからコード、ドラム、メロディ、アレンジ、フルコーラス完成までの流れをまとめています。