古賀稔宏の作曲ノート

Cubaseで音が出ない時に見る順番

Cubaseで音が出ない時は、原因を一気に探そうとすると迷います。メーター、出力先、トラック、音源、インターフェイスの順で切り分けます。

この記事の結論

最初に再生メーターを見てください。メーターが動くならCubase内部では音が出ています。メーターが動かないなら、トラックや音源側で止まっています。

  • 再生してメーターを見る
  • ステレオアウトが動くか確認する
  • 出力先を確認する
  • メーターが動くかを見て、出力側の問題かトラック側の問題かを分ける

この記事で解決すること

この記事では、Cubase内では音が流れているのか、そもそも音が作られていないのかをメーターから判断します。

  • Cubaseを再生しても無音になる
  • ステレオアウトのメーターが動いているのに聞こえない
  • MIDIは見えるのに音源が鳴らない
  • オーディオインターフェイス使用時だけ音が出ない

まず確認する順番

最初にメーターを見れば、探す場所を出力側かトラック側に絞れます。

  1. 再生してメーターを見る
  2. ステレオアウトが動くか確認する
  3. 出力先を確認する
  4. 音源トラックを確認する
  5. ミュートとソロを確認する
  6. ドライバーを確認する
  7. ヘッドホンの接続先を確認する

確認の流れ

  1. 01メーター
  2. 02出力先
  3. 03トラック

音が出ない時はメーターから見る

Cubaseで音が出ない時、最初に開くべきなのは難しい設定画面ではありません。再生ボタンを押して、トラックやステレオアウトのメーターが動いているかを見ます。メーターが動くなら、Cubase内部では音が流れています。

この場合、原因は出力先、ドライバー、ヘッドホンやスピーカーの接続にあります。メーターが全く動かない場合は、そもそも再生する素材がない、音源が立ち上がっていない、トラックがミュートされている、という方向で確認します。

ステレオアウトが動くのに聞こえない場合

ステレオアウトのメーターが動いているのに耳に聞こえないなら、Cubaseの中では音が出ています。つまり曲や音源の問題ではなく、Cubaseから外へ出す道で止まっています。

オーディオインターフェイスを使っているなら、Cubaseの出力先がその機種になっているか、ヘッドホンがインターフェイス側に挿さっているかを確認します。パソコン本体にヘッドホンを挿しているのにCubaseはインターフェイスへ出している、というずれはよくあります。

メーターが動かない場合

メーターが動かない場合は、再生する音がCubase内に存在していません。オーディオトラックなら波形があるか、MIDIなら鳴らす音源があるか、トラックがミュートされていないかを見ます。

MIDIデータだけがあっても、ソフト音源が割り当てられていなければ音は出ません。MIDIは音ではなく演奏情報です。インストゥルメントトラックを作り、分かりやすいピアノ音色で確認するのが早いです。

ミュート、ソロ、録音待機を確認する

Cubaseは多機能なので、初心者が意図せずミュートやソロを押してしまうことがあります。特定のトラックだけ聞こえない場合は、トラックのM、S、録音待機、モニターボタンを確認します。

全体が聞こえないならステレオアウトやドライバーを、特定トラックだけ聞こえないならトラック個別の設定を見る。この分け方をすると、探す範囲が狭くなります。

オーディオドライバーの確認

オーディオインターフェイスを使っている場合、専用ドライバーが選ばれていないと音が出なかったり、遅れたり、ノイズが出たりします。Cubase側で正しいASIOドライバーが選ばれているか確認します。

PC標準のドライバーでも音が出ることはありますが、録音やMIDI演奏には向かない場合があります。作曲前に、再生と録音の両方で安定するドライバーを決めておくことが重要です。

直った状態を残す

音が出たら、その場で終わりにせず、どの設定で直ったのかメモします。出力先、ドライバー、ヘッドホンの接続先をセットで記録しておくと、次に同じ症状が出ても戻れます。

この制作ノートでは、環境設定を毎回の不安にしないことを重視します。音が出る状態を固定できると、ようやくコード、ドラム、メロディの制作に集中できます。

状態別の見方

同じ悩みに見えても、見る場所が違うことがあります。今の状態に近い行から確認してください。

今起きていること見る場所次にやること
Cubaseを再生しても無音になるステレオアウトのメーターを見る動かなければトラックや音源を確認する
ステレオアウトのメーターが動いているのに聞こえないCubaseから外への出力経路を見る出力先とヘッドホンの接続先を合わせる
MIDIは見えるのに音源が鳴らないMIDIトラックと音源の有無を見るインストゥルメントトラックで確認する
オーディオインターフェイス使用時だけ音が出ないASIOドライバーと本体音量を見るインターフェイス側にヘッドホンを挿す

15分で確認すること

最初は範囲を広げすぎず、下の項目だけを順番に見ます。

  1. 再生してメーターを見る
  2. ステレオアウトが動くか確認する
  3. 出力先を確認する
  4. 音源トラックを確認する

15分で見る範囲は、メーター、出力先、音源トラックまでです。ここで音が出れば、原因はかなり限定できます。

30分かけて見る場合

15分で解決しない場合だけ、少し広い範囲を確認します。

  1. ミュートとソロを確認する
  2. ドライバーを確認する
  3. ヘッドホンの接続先を確認する

30分見る場合は、ドライバー、ミュート、ソロ、プロジェクト固有の設定まで広げます。既存曲だけで起きるなら、新規プロジェクトと比較します。

次の制作作業へつなげる

音が聞こえる状態に戻したら、次は音色ではなく曲の材料を置きます。

Cubaseの音出しは、メーターを見る習慣があるだけで迷い方が変わります。音が聞こえない時に、曲を直すべきか、出力を直すべきかを判断できるからです。

音が聞こえる状態に戻ったら、短いコード進行、ドラム、メロディの順に置きます。音出しの不安を残したまま進めると、制作中に何度も手が止まります。

実践ワーク

読んだあとにやること

  1. 再生してステレオアウトのメーターを見る
  2. 出力先とヘッドホンの接続先を確認する
  3. ピアノ音源だけの新規プロジェクトを作る
  4. 鳴った設定をメモする

メーターが動いたか、動かなかったかを書くだけでも、次に見る場所が明確になります。

よくある失敗

知識不足より、確認する順番を飛ばして問題が大きくなることがあります。

  • メーターを見ずに設定を触り始める
  • パソコン本体とインターフェイスの出力先を混同する
  • MIDIデータだけで音が鳴ると思う
  • ミュートやソロを見落とす

次に読む記事

音出しの原因が分かったら、関連するMIDI入力、インターフェイス、レイテンシーも確認しておきます。

古賀稔宏のプロフィール写真

プロフィール

古賀 稔宏

ギター、ウクレレ、DTM(Cubase)、作曲技法、音楽理論を指導。14歳でギターを始め、同時に作曲も始める。ポップ、ロック、クラシックの要素を含む楽曲を得意とする。

「それいけ!アンパンマン」劇場版関連楽曲の作曲・編曲、Do As Infinity関連楽曲、アニメ楽曲、滝沢歌舞伎BGM、堂本光一ソロアルバムへのギタリスト参加など、商業音楽の制作・演奏に携わる。

プロはどうやって1曲を作るのか

古賀稔宏の「1曲完成までの制作工程マップ」では、音出しからコード、ドラム、メロディ、アレンジ、フルコーラス完成までの流れをまとめています。