古賀稔宏の作曲ノート

Cubaseでオーディオファイルが見つからない時の原因

別PCに移したら音が出ない、オーディオファイルがありませんと表示される。原因は、曲ごとのフォルダ管理が崩れていることかもしれません。

この記事の結論

プロジェクトファイルだけをコピーしても、録音した音声ファイルが一緒に移っていなければ再生できません。曲フォルダごと管理します。

  • 警告に出たファイル名を確認する
  • 元のAudioフォルダを探す
  • プロジェクトファイルだけ移していないか確認する
  • プロジェクトファイルだけでなく、Audioフォルダごと曲を管理する

この記事で解決すること

この記事では、Cubaseのプロジェクトと録音素材が別々に扱われることを前提に、見失った音声ファイルを探します。

  • Cubaseを開くとファイル不足の警告が出る
  • 別PCに移したら録音素材だけ鳴らない
  • Audioフォルダの意味が分からない
  • 曲ごとの保存方法を整理したい

まず確認する順番

警告文を閉じる前に、足りないファイル名と元の保存場所を確認します。

  1. 警告に出たファイル名を確認する
  2. 元のAudioフォルダを探す
  3. プロジェクトファイルだけ移していないか確認する
  4. 曲ごとにフォルダを作る
  5. 素材を同じ場所へ集める
  6. バックアップはフォルダごと取る
  7. 次回から保存ルールを固定する

確認の流れ

  1. 01警告
  2. 02Audioフォルダ
  3. 03曲フォルダ

プロジェクトファイルと音声ファイルは別

Cubaseのプロジェクトファイルには、曲の構成やトラック情報が保存されます。しかし録音したオーディオそのものが必ず中に埋め込まれているわけではありません。音声ファイルは別の場所に保存され、それをプロジェクトが参照しています。

この参照先が切れると、プロジェクトを開いても録音した歌やギターが見つからない状態になります。ファイルが消えたのではなく、Cubaseが場所を見失っているだけの場合もあります。

なぜ別PCで起きやすいのか

別PCへ移す時に、.cprファイルだけをコピーすると問題が起きます。見た目にはプロジェクトを移したつもりでも、Audioフォルダや録音素材が元のPCに残っていれば、移動先では再生できません。

USBメモリやクラウドへ保存する時も同じです。曲名のフォルダを作り、その中にプロジェクトファイルとAudioフォルダをまとめます。ファイル単体ではなく、曲フォルダ単位で動かすのが基本です。

警告が出た時にやること

Cubaseがファイルを探せない時は、警告画面に不足しているファイル名が出ます。その名前を手がかりに、元のPC、外付けHDD、ダウンロードフォルダ、デスクトップ、Audioフォルダを探します。

見つかったら、今後のために曲フォルダ内へ集め直します。場当たり的に読み込むだけだと、次に開いた時また迷います。解決したタイミングで整理まで終えることが大切です。

曲ごとフォルダ管理のルール

新しい曲を作る時は、最初に曲名フォルダを作ります。その中にCubaseプロジェクトを保存し、録音素材も同じ曲フォルダ内に入るようにします。日付や仮タイトルでもよいので、後から見て分かる名前にします。

この制作ノートでは、この管理をゼロ章に入れる価値があります。曲が進むほど素材は増えます。最初の保存が雑だと、歌入れやミックスの段階で大きなロスになります。

バックアップの考え方

バックアップは、プロジェクトファイルだけでは不十分です。曲フォルダごとコピーします。クラウドに上げる場合も、フォルダ構造を保ったまま保存します。

特に歌やギターを録ったプロジェクトは、同じテイクを再現できません。MIDIなら打ち直せる場合もありますが、録音素材はその時だけのものです。失う前提ではなく、失わない仕組みにしておきます。

制作工程での意味

ファイル管理は地味ですが、曲を完成させる力に直結します。数小節の打ち込みだけなら気にならなくても、フルコーラス、歌入れ、ミックスへ進むほど管理の差が出ます。

検索でトラブルを解決するだけで終わらせず、次の曲では同じ問題が起きない状態にする。これが制作工程としてのファイル管理です。

状態別の見方

同じ悩みに見えても、見る場所が違うことがあります。今の状態に近い行から確認してください。

今起きていること見る場所次にやること
Cubaseを開くとファイル不足の警告が出る警告に出たファイル名を見る元のAudioフォルダから再リンクする
別PCに移したら録音素材だけ鳴らないコピーした範囲を見る曲フォルダごと移し直す
Audioフォルダの意味が分からない録音素材の保存場所として読むプロジェクトとAudioを同じ親フォルダに置く
曲ごとの保存方法を整理したいフォルダ名と保存ルールを見る新曲ごとに専用フォルダを作る

15分で確認すること

最初は範囲を広げすぎず、下の項目だけを順番に見ます。

  1. 警告に出たファイル名を確認する
  2. 元のAudioフォルダを探す
  3. プロジェクトファイルだけ移していないか確認する
  4. 曲ごとにフォルダを作る

15分では、警告名、元フォルダ、プロジェクトとAudioフォルダの位置だけを見ます。見つかれば再リンクして保存します。

30分かけて見る場合

15分で解決しない場合だけ、少し広い範囲を確認します。

  1. 素材を同じ場所へ集める
  2. バックアップはフォルダごと取る
  3. 次回から保存ルールを固定する

30分見る場合は、別PC、バックアップ、素材の散らばりまで確認し、今後の保存ルールを作ります。

次の制作作業へつなげる

素材が戻ったら、次の曲で同じ事故を起こさない保存方法に変えます。

オーディオファイルの紛失は、作曲力の問題ではなく管理の問題です。ただし、録音素材が消えると制作の流れは止まります。

曲フォルダごと管理できるようになると、別PCへの移動、バックアップ、再編集が安定します。制作工程の中で、保存も作品を守る作業として扱います。

実践ワーク

読んだあとにやること

  1. 警告に出たファイル名を控える
  2. 元のAudioフォルダを探す
  3. 曲フォルダごと1か所にまとめる
  4. 開き直して警告が消えるか確認する

直ったら、その曲だけでなく次回以降の保存ルールも決めます。毎回同じ場所に保存するだけで事故はかなり減ります。

よくある失敗

知識不足より、確認する順番を飛ばして問題が大きくなることがあります。

  • .cprファイルだけコピーして移動したつもりになる
  • 録音素材をデスクトップやダウンロードに散らばらせる
  • 警告を無視して別名保存を重ねる
  • バックアップをプロジェクトファイル単体で済ませる

次に読む記事

ファイル管理が戻ったら、Cubaseの音出しや曲を完成させる工程へ戻ります。

古賀稔宏のプロフィール写真

プロフィール

古賀 稔宏

ギター、ウクレレ、DTM(Cubase)、作曲技法、音楽理論を指導。14歳でギターを始め、同時に作曲も始める。ポップ、ロック、クラシックの要素を含む楽曲を得意とする。

「それいけ!アンパンマン」劇場版関連楽曲の作曲・編曲、Do As Infinity関連楽曲、アニメ楽曲、滝沢歌舞伎BGM、堂本光一ソロアルバムへのギタリスト参加など、商業音楽の制作・演奏に携わる。

プロはどうやって1曲を作るのか

古賀稔宏の「1曲完成までの制作工程マップ」では、音出しからコード、ドラム、メロディ、アレンジ、フルコーラス完成までの流れをまとめています。