古賀稔宏の作曲ノート

MIDIキーボードが鳴らない時の確認手順

CubaseでMIDIキーボードを押しても音が出ない時は、鍵盤が壊れていると考える前に、接続順、MIDI入力、音源トラック、オーディオ出力の順で切り分けます。

この記事の結論

急いでいる場合は、Cubaseを閉じて、MIDIキーボードをUSBで接続してからCubaseを起動し直してください。起動後に挿しただけだと入力機器として選ばれていないことがあります。

  • Cubaseを終了する
  • MIDIキーボードを接続する
  • Cubaseを起動する
  • 音が出たら、Cのコードを鳴らして録音と再生まで確認する

この記事で解決すること

この記事では、MIDIキーボードが反応しない、反応するのに音が出ない、出力先が分からない、という状態を順番に切り分けます。

  • 鍵盤を押してもCubaseが反応しない
  • メーターは動くのに音が聞こえない
  • 音源トラックとMIDIトラックの違いが分からない
  • ヘッドホンをどこに挿せばよいか迷っている

まず確認する順番

最初から設定画面を開き続けるのではなく、接続、入力、音源、出力の順に確認します。

  1. Cubaseを終了する
  2. MIDIキーボードを接続する
  3. Cubaseを起動する
  4. インストゥルメントトラックを作る
  5. ピアノ音源を選ぶ
  6. メーターの反応を見る
  7. 出力先とヘッドホンの接続先を合わせる

確認の流れ

  1. 01接続
  2. 02入力
  3. 03音源と出力

最初に切り分けるべき3つの場所

MIDIキーボードが鳴らない時、原因は大きく3つに分かれます。入力がCubaseへ届いていない、入力は届いているが鳴らす音源がない、音源は鳴っているが出力先が違う。この3つを分けずに設定画面を開くと、関係のない場所まで変えてしまい、かえって戻れなくなります。

まず見るのは、鍵盤を押した時にCubaseのトラックやメーターが反応するかです。反応しないならMIDI入力の問題です。反応するなら、MIDIは届いています。そこから先は音源とオーディオ出力の問題として考えます。

Cubaseを閉じてから接続する理由

MIDIキーボードは、パソコンに挿せば必ずDAWが自動で拾うと思われがちです。しかし実際には、Cubaseの起動時点で接続されていた機器が優先されることがあります。Cubaseを開いたあとにUSBを挿した場合、画面上では問題が見えなくても入力先として選ばれていないことがあります。

この制作ノートでは、音楽理論より先に入力経路を安定させることを重視します。入力が届いていなければ、コードもメロディも確認できません。音が出る環境は、作曲以前の土台です。

メーターが動くのに音が出ない場合

メーターが動いているなら、MIDIキーボードからCubaseへ演奏情報は届いています。この段階でUSBケーブルや接続順を疑い続けるより、次はソフト音源を確認します。MIDIキーボードは音そのものを送る機械ではなく、どの鍵盤を押したかという情報を送る入力装置です。

インストゥルメントトラックを作り、ピアノやシンセなど分かりやすい音源を読み込みます。MIDIトラックだけを作っている場合、演奏情報は置けても鳴らす音源がないため音は聞こえません。

音源はあるのに聞こえない場合

音源トラックのメーターやステレオアウトのメーターが動くなら、Cubase内部では音が鳴っています。耳に聞こえない場合は、出力先とヘッドホンの接続先がずれている可能性があります。

オーディオインターフェイスを選んでいるなら、ヘッドホンはインターフェイスに挿します。内蔵スピーカーを選んでいるなら、パソコン側から出ます。この対応がずれると、Cubase内では鳴っているのに何も聞こえない状態になります。

それでも直らない時の確認

別のUSBポート、別のケーブル、USBハブを外した直挿しを試します。充電専用ケーブルではデータが通らないこともあります。WindowsやMac側で機器として認識されていないなら、Cubaseの中を探しても解決しません。

新規プロジェクトでピアノ音源だけを立ち上げて鳴るかも確認します。既存プロジェクトだけで鳴らないなら、そのプロジェクトのルーティングやトラック設定が原因です。機材の問題か、Cubase全体の問題か、開いているプロジェクトだけの問題かを分けます。

音が出た後にやること

音が出たら、今の状態を保存します。そのうえでCのコード、つまりド・ミ・ソを同時に鳴らし、録音して再生できるか確認します。音が出る、録音できる、再生できる。この3つができれば、作曲の入口に立てています。

ここからコード、ドラム、メロディへ進みます。音出しを終えたあとは、短いコード進行を置き、リズムを決め、メロディを乗せ、フルコーラス完成へ広げていきます。

状態別の見方

同じ悩みに見えても、見る場所が違うことがあります。今の状態に近い行から確認してください。

今起きていること見る場所次にやること
鍵盤を押してもCubaseが反応しない接続順、USBケーブル、MIDI入力を確認Cubaseを終了し、接続してから起動し直す
メーターは動くのに音が聞こえない音源トラックと出力先を確認インストゥルメントトラックにピアノ音源を読み込む
音源トラックとMIDIトラックの違いが分からないMIDIは音ではなく演奏情報として読むインストゥルメントトラックで鳴る状態を作る
ヘッドホンをどこに挿せばよいか迷っているCubaseの出力先と実際の接続先を見る出力先に選んだ機器へヘッドホンを挿す

15分で確認すること

最初は範囲を広げすぎず、下の項目だけを順番に見ます。

  1. Cubaseを終了する
  2. MIDIキーボードを接続する
  3. Cubaseを起動する
  4. インストゥルメントトラックを作る

ここまでで鳴れば、原因は接続順か入力機器の選択にあります。直った状態のまま、新規プロジェクトで保存しておきます。

30分かけて見る場合

15分で解決しない場合だけ、少し広い範囲を確認します。

  1. ピアノ音源を選ぶ
  2. メーターの反応を見る
  3. 出力先とヘッドホンの接続先を合わせる

ここまで見ても鳴らない場合は、機材、ケーブル、プロジェクト固有の設定を分けます。新規プロジェクトでピアノ音源だけを鳴らすと、原因を狭められます。

次の制作作業へつなげる

音が出たら、トラブル調査を終えて作曲の入口へ進みます。

MIDIキーボードの確認は、音楽制作そのものではなく、制作に入るための準備です。鳴る状態が作れたら、C、Am、Dm、Gのような短いコード進行を置き、録音と再生ができるかを確認します。

次に見るべきなのは、音色探しではなく、コード、ドラム、メロディの順で曲の土台を作ることです。音が出る環境を固定できると、フルコーラス完成までの作業に集中できます。

実践ワーク

読んだあとにやること

  1. Cubaseを閉じてMIDIキーボードを接続する
  2. インストゥルメントトラックを1つ作る
  3. ピアノ音源でCのコードを鳴らす
  4. 録音して再生できるか確認する

最後に、どの接続順と出力先で鳴ったかを1行で残します。次回同じ症状が出た時に、調べ直す時間を減らせます。

よくある失敗

知識不足より、確認する順番を飛ばして問題が大きくなることがあります。

  • MIDIキーボード単体から音が出ると思っている
  • MIDIトラックだけ作って音源を立ち上げていない
  • Cubaseの出力先とヘッドホンの接続先が違う
  • 検索で見た設定を一度に何個も変える

次に読む記事

音が鳴る状態を作ったら、次はCubase全体の音出し、インターフェイス、作曲の入口へ進みます。

古賀稔宏のプロフィール写真

プロフィール

古賀 稔宏

ギター、ウクレレ、DTM(Cubase)、作曲技法、音楽理論を指導。14歳でギターを始め、同時に作曲も始める。ポップ、ロック、クラシックの要素を含む楽曲を得意とする。

「それいけ!アンパンマン」劇場版関連楽曲の作曲・編曲、Do As Infinity関連楽曲、アニメ楽曲、滝沢歌舞伎BGM、堂本光一ソロアルバムへのギタリスト参加など、商業音楽の制作・演奏に携わる。

プロはどうやって1曲を作るのか

古賀稔宏の「1曲完成までの制作工程マップ」では、音出しからコード、ドラム、メロディ、アレンジ、フルコーラス完成までの流れをまとめています。