古賀稔宏の作曲ノート

メロディが浮かばない時は鼻歌から始める

メロディが浮かばない時は、鍵盤の前で固まるより、まず口に出してみます。歌えるものは打ち込めます。

この記事の結論

音程が不安定でも構いません。最初に必要なのは正確な音名ではなく、上がる、下がる、伸ばす、繰り返すという形です。

  • コード進行を鳴らす
  • 口で短く歌う
  • スマホで録る
  • コードを鳴らしながら鼻歌を録り、形をMIDIへ移す

この記事で解決すること

この記事では、鍵盤で正解を探す前に、口から出たメロディの形を使います。

  • メロディだけが作れない
  • 鍵盤で音を探すと固まる
  • 鼻歌をMIDIにする方法が分からない
  • コードに合うメロディを作りたい

まず確認する順番

音名を当てるより先に、上がる、下がる、伸ばす、繰り返すという動きを残します。

  1. コード進行を鳴らす
  2. 口で短く歌う
  3. スマホで録る
  4. 上がる下がるを確認する
  5. MIDIで近い音を探す
  6. 同じフレーズを繰り返す
  7. 最後だけ変える

確認の流れ

  1. 01鼻歌
  2. 02録音
  3. 03MIDI化

メロディは鍵盤より先に口から出す

メロディが浮かばない人ほど、鍵盤の前で正しい音を探そうとします。しかし鍵盤で音を探す作業と、歌いたい形を作る作業は別です。まず口で出してみると、頭の中の曖昧なイメージが外に出ます。

鼻歌は、作曲の下書きです。音程が少し外れていても、リズムや抑揚に曲の核が入っています。そこからMIDIへ移して整えれば十分です。

コードを鳴らしながら歌う

メロディだけを単独で考えると、どこへ向かえばよいか分からなくなります。C→Am→Dm→Gのようなコード進行をループし、その上で口ずさみます。

コードが変わる時にメロディを上げたくなるのか、同じ音で粘りたくなるのか、自然に感じる方向を使います。理論で決める前に、耳と声で反応を取ります。

スマホ録音を使う

鼻歌はすぐ忘れます。良いと思ったら、完成度が低くてもスマホで録音します。後から聞き返して、使えるリズム、使える語尾、使える繰り返しを拾います。

録音した鼻歌をそのまま完璧なメロディにする必要はありません。1小節だけ良い、語尾だけ良い、リズムだけ良い、という拾い方で十分です。

MIDIへ移す時の考え方

鼻歌をMIDIへ移す時は、最初から正確な音程を当てようとしすぎないことです。まずリズムを置き、次に大まかな上下を合わせます。最後にコードに合う音へ整えます。

音がぶつかっても、それは失敗ではありません。違和感のある音を近くの音へ動かすことで、コードに合うメロディが見つかります。

耳に残る形は繰り返しで作る

良いメロディは、完全に新しい音が続くものではありません。短いフレーズを繰り返し、最後だけ変えることで耳に残ります。

たとえば2小節のフレーズを作り、次の2小節で似た形を繰り返し、最後だけ上げる。これだけでサビらしさが出ることがあります。

メロディを曲へ育てる

メロディができたら、ドラムやベース、コードの動きと合わせて聞きます。単体で良いメロディでも、曲の中で強すぎたり弱すぎたりすることがあります。

制作工程で見ると、メロディは単独の飾りではなく、曲全体を導く線です。鼻歌から始め、コードに乗せ、展開の中で育てます。

状態別の見方

同じ悩みに見えても、見る場所が違うことがあります。今の状態に近い行から確認してください。

今起きていること見る場所次にやること
メロディだけが作れない鍵盤ではなく声から始めるコードを鳴らして短く歌う
鍵盤で音を探すと固まる正確な音名より上下の形を見るまずリズムと輪郭だけを置く
鼻歌をMIDIにする方法が分からない録音を聞いて使える部分を拾う近い音を置いてから整える
コードに合うメロディを作りたいコードが変わる場所を意識する違和感のある音を近くへ動かす

15分で確認すること

最初は範囲を広げすぎず、下の項目だけを順番に見ます。

  1. コード進行を鳴らす
  2. 口で短く歌う
  3. スマホで録る
  4. 上がる下がるを確認する

15分では、コードを鳴らしながら鼻歌を録るところまでで十分です。消える前に残します。

30分かけて見る場合

15分で解決しない場合だけ、少し広い範囲を確認します。

  1. MIDIで近い音を探す
  2. 同じフレーズを繰り返す
  3. 最後だけ変える

30分見る場合は、録った鼻歌から2小節を選び、MIDIで近い音に移して整えます。

次の制作作業へつなげる

鼻歌は完成メロディではなく、曲の核を外に出す下書きです。

メロディは、最初から正確である必要はありません。リズム、上がり下がり、繰り返しの形があれば、あとからコードに合わせて整えられます。

鼻歌をMIDIへ移したら、ドラムやコードと合わせて聞きます。単体で良いかではなく、曲の中で歌いたくなるかを判断します。

実践ワーク

読んだあとにやること

  1. コード進行を4小節ループする
  2. スマホで鼻歌を録る
  3. 使える2小節だけ選ぶ
  4. MIDIで近い音に置き換える

音程が多少ずれていても捨てません。使えるリズムや語尾だけ拾えば、メロディの種になります。

よくある失敗

知識不足より、確認する順番を飛ばして問題が大きくなることがあります。

  • 鍵盤で正解を探し続けて口に出さない
  • 音程が不安定だから使えないと思う
  • 録音せずに忘れる
  • 全部違うフレーズにして耳に残らない

次に読む記事

メロディの種ができたら、コード、ドラム、完成工程の記事へつなげます。

古賀稔宏のプロフィール写真

プロフィール

古賀 稔宏

ギター、ウクレレ、DTM(Cubase)、作曲技法、音楽理論を指導。14歳でギターを始め、同時に作曲も始める。ポップ、ロック、クラシックの要素を含む楽曲を得意とする。

「それいけ!アンパンマン」劇場版関連楽曲の作曲・編曲、Do As Infinity関連楽曲、アニメ楽曲、滝沢歌舞伎BGM、堂本光一ソロアルバムへのギタリスト参加など、商業音楽の制作・演奏に携わる。

プロはどうやって1曲を作るのか

古賀稔宏の「1曲完成までの制作工程マップ」では、音出しからコード、ドラム、メロディ、アレンジ、フルコーラス完成までの流れをまとめています。