古賀稔宏の作曲ノート

ドラム打ち込みは口で歌うところから始める

ドラムの名前や譜面から入ると難しく感じます。最初は、口で歌えるリズムを音に置き換えます。

この記事の結論

ドンはキック、タンはスネア、ツツツはハイハット。最初はこの置き換えで十分です。リズムを口で言えるなら打ち込めます。

  • 口でリズムを歌う
  • 低い音をキックにする
  • 鋭い音をスネアにする
  • 口で言えるリズムをキック、スネア、ハイハットへ置き換える

この記事で解決すること

この記事では、ドラム用語からではなく、口で歌えるリズムから打ち込みを始めます。

  • ドラムを叩けないので打ち込み方が分からない
  • ループ素材っぽくなってしまう
  • キックとスネアの役割が分からない
  • コードに合うリズムを作りたい

まず確認する順番

最初は複雑なパターンではなく、体で感じているリズムを3つの音に分けます。

  1. 口でリズムを歌う
  2. 低い音をキックにする
  3. 鋭い音をスネアにする
  4. 細かい刻みをハイハットにする
  5. 1小節だけ作る
  6. 4小節目だけ変える
  7. コードと一緒に聞く

確認の流れ

  1. 01口で歌う
  2. 023点に分ける
  3. 034小節で変化

ドラム知識ゼロでも始められる

DTM初心者がドラムで止まる理由は、最初からドラマーの知識で考えようとするからです。キック、スネア、ハイハット、フィル、ゴーストノート。用語が多く、何から置けばいいか分からなくなります。

最初は、口で歌えるリズムを音に置き換えます。ドン、タン、ツツツ。この程度の言葉で構いません。体で感じているリズムを、DAW上の音へ変えるのが最初の目的です。

キック、スネア、ハイハットの役割

キックは低く、曲の重心を作ります。スネアは鋭く、拍のアクセントを作ります。ハイハットは細かく、時間の流れを作ります。この3つだけで、かなりの曲の土台が作れます。

最初は2拍目と4拍目にスネア、1拍目と3拍目にキック、8分でハイハットという形で十分です。そこから口で歌ったリズムに合わせて、キックを増やしたり減らしたりします。

コードと一緒に作る

ドラムだけを単体で作ると、正解が分かりにくくなります。C→Am→Dm→Gのようなコード進行を鳴らしながらドラムを入れると、曲として合っているか判断しやすくなります。

この制作ノートでは、ドラムを孤立した練習ではなく、曲の流れの中で判断します。リズムが入ると、コードが進行している感覚が強くなり、メロディも乗せやすくなります。

チープに聞こえる原因

1小節だけ作ってコピーすると、すぐに機械的に聞こえます。原因は音色だけではありません。ずっと同じ強さ、同じパターン、同じ展開で鳴っていることが大きいです。

4小節目だけキックを少し変える、サビ前にフィルを入れる、ハイハットを開く。このような小さな変化で、曲が前へ進んでいる感じが出ます。

フィルは次の場面へ送る合図

フィルは派手なドラムソロではなく、次の場面へ進む合図です。Aメロからサビへ行く前、8小節の終わり、展開が変わる直前に短く入れると効果的です。

初心者は長いフィルを作ろうとして崩れがちです。最初は1拍だけ、スネアをタタッと入れる程度で十分です。大事なのは次のコードやメロディを自然に入れることです。

曲全体で考える

ドラムは、音量を上げれば迫力が出るわけではありません。Aメロでは薄く、サビでは広く、間奏では少し変える。曲全体の強弱を作る役割があります。

口で歌ったリズムから始め、コードと合わせ、場面ごとに変化を付ける。これができると、ドラム打ち込みは単なる作業ではなく、曲を進める力になります。

状態別の見方

同じ悩みに見えても、見る場所が違うことがあります。今の状態に近い行から確認してください。

今起きていること見る場所次にやること
ドラムを叩けないので打ち込み方が分からないドン、タン、ツツツに分けるキック、スネア、ハイハットへ置く
ループ素材っぽくなってしまう4小節目の変化を見る最後だけキックやフィルを変える
キックとスネアの役割が分からない低音の重心と拍のアクセントで読む1拍目と3拍目、2拍目と4拍目から始める
コードに合うリズムを作りたいコードを鳴らしながら判断する単体ではなく曲の中で聞く

15分で確認すること

最初は範囲を広げすぎず、下の項目だけを順番に見ます。

  1. 口でリズムを歌う
  2. 低い音をキックにする
  3. 鋭い音をスネアにする
  4. 細かい刻みをハイハットにする

15分では、1小節のドン、タン、ツツツを作るだけで十分です。まず動く土台を作ります。

30分かけて見る場合

15分で解決しない場合だけ、少し広い範囲を確認します。

  1. 1小節だけ作る
  2. 4小節目だけ変える
  3. コードと一緒に聞く

30分見る場合は、4小節に伸ばし、4小節目だけ変化を入れます。ループ感を抜く最初の一歩です。

次の制作作業へつなげる

ドラムは単体の練習ではなく、曲を前へ進める役割として考えます。

ドラムは音色だけで良くなるものではありません。どの場面で薄くするか、どこで次の展開へ送るかによって、曲全体の流れが変わります。

口で歌ったリズムを打ち込み、コードと合わせ、4小節目だけ変える。ここまでできると、ドラムは作業ではなく曲の推進力になります。

実践ワーク

読んだあとにやること

  1. 口でドン、タン、ツツツと歌う
  2. キック、スネア、ハイハットへ置く
  3. コード進行と一緒に再生する
  4. 4小節目だけ少し変える

ドラム単体で正解を探さず、コードと一緒に聞きます。曲の中で自然に進むかを判断します。

よくある失敗

知識不足より、確認する順番を飛ばして問題が大きくなることがあります。

  • 最初から複雑なパターンを作ろうとする
  • ドラム単体で正解を探す
  • 1小節ループを最後まで貼る
  • 音色だけでチープさを解決しようとする

次に読む記事

リズムができたら、コードやメロディの記事へ進むと曲の形が見えます。

古賀稔宏のプロフィール写真

プロフィール

古賀 稔宏

ギター、ウクレレ、DTM(Cubase)、作曲技法、音楽理論を指導。14歳でギターを始め、同時に作曲も始める。ポップ、ロック、クラシックの要素を含む楽曲を得意とする。

「それいけ!アンパンマン」劇場版関連楽曲の作曲・編曲、Do As Infinity関連楽曲、アニメ楽曲、滝沢歌舞伎BGM、堂本光一ソロアルバムへのギタリスト参加など、商業音楽の制作・演奏に携わる。

プロはどうやって1曲を作るのか

古賀稔宏の「1曲完成までの制作工程マップ」では、音出しからコード、ドラム、メロディ、アレンジ、フルコーラス完成までの流れをまとめています。