パンとは|左右の広がりの基本

作曲・編曲家 古賀 稔宏
「それいけ!アンパンマン」劇場版関連楽曲の作曲・編曲、Do As Infinity関連楽曲、アニメ楽曲、滝沢歌舞伎BGMなど、商業音楽の制作・演奏に携わる。
まず、パンとは|左右の広がりの基本は用語を覚えるためだけの記事ではありません。読み終わったら次に確認することを一つに絞り、今日やることとしてボーカルとキックを中央に残し、ギターやハイハットを少し左右へ動かす。音を出す、再生する、保存する、書き出すところまで進めます。
制作の軸
パンは、曲の中で何を判断するための言葉かを先に決めます。
- 意味をDAW上の操作に置き換える
- 4小節だけで変化を聞く
- 変更前と変更後を保存する
- 書き出して次に直す一点を決める
言葉の意味を制作に置き換える
用語だけを覚えず、DAW上で何を見る言葉なのかを先に決めます。
パンとは|左右の広がりの基本は、辞書的な意味だけを覚えても制作では使いにくい言葉です。まず、DAWの中でどこを見るための言葉なのかを決めます。
パンは音を左右に置く操作です。音を良くする前に、どの音を中央に置き、どの音を横へ逃がすかを決めます。
レッスンで止まりやすいのは、用語を知らないことより、知った用語を次の操作へ変換できない場面です。音を出す、録音する、再生する、保存する、書き出す。このどこに関係するのかを分けます。
読み終わったら、次に確認することを一つだけ決めます。今日やることは、ボーカルとキックを中央に残し、ギターやハイハットを少し左右へ動かすことです。
初心者が混乱しやすい場所
間違えやすい解釈を先に外すと、作業が止まりにくくなります。
パンとは|左右の広がりの基本で初心者が止まりやすいのは、全部を中央に置いて、音量だけで整理しようとしやすいところです。これは能力の問題ではなく、見ている場所が広すぎる時に起きます。
商業音楽の制作でも、良い音や便利な機能を探す前に、曲の中での役割を先に置きます。支える音、前に出る音、確認するだけの仮音を分けると、操作の意味が見えます。
一度に複数の設定を触ると、何が効いたのか分からなくなります。まず一つ変えて再生し、保存し、必要なら書き出して聞きます。
この段階では、完璧な判断よりも戻れる状態が大切です。変更前の状態を残しておくと、試した結果を冷静に比べられます。
4小節で試す
短い範囲で試すと、用語が実際の音として理解できます。
4小節だけでよいので、パンを使う場面を作ります。長い曲で試すと、他の要素に埋もれて変化が分かりにくくなります。
古賀稔宏のレッスンで重視しているのは、頭の中にあるイメージを外に出して聞ける状態にすることです。うまいかどうかの前に、聞き返せる形へ出すことが止まらない入口になります。
短く作って聞き、気になった一点だけ直し、また聞きます。この繰り返しが、用語を知識ではなく制作の手順へ変えていきます。
今日の確認では、4小節を作って保存し、書き出して普通の再生環境で聞きます。DAW画面を見ない状態で分かる変化が、制作で使える変化です。
曲の中での役割を見る
単体で良いかではなく、曲の流れで必要かを判断します。
パンは単体で触ると分かった気になりますが、曲の中で役割がなければ判断できません。前に出すのか、支えるのか、整理するのかを決めます。
コード、ドラム、メロディ、録音素材は別々に見えますが、曲の中では互いの余白を作るために並んでいます。パンも、その余白を作るための道具として見ると扱いやすくなります。
生徒の制作を見ていると、止まる場面の多くは能力ではなく工程の混線です。いま見る場所を決め、ほかの問題を一度横へ置くだけで、作業の手は動きやすくなります。
判断に迷ったら、同じ音量で変更前と変更後を書き出します。大きい音は良く聞こえやすいため、音量をそろえて聞くことが大切です。
やりすぎを避ける
便利な操作ほど、使いすぎると曲の流れを崩します。
パンとは|左右の広がりの基本を覚えた直後は、すべてに使いたくなります。しかし制作では、使うことより使わない判断のほうが大切な場面があります。
一つの作業が終わったら、次の工程へ渡す形になっているかを見ます。音出しで終わらず、保存名と書き出しまで残すと次の作業が軽くなります。
制作ログには、長い反省を書かなくて構いません。今日やったこと、聞いて気になったこと、次に触る場所の三つが残れば、次回の入口になります。
迷ったら、完成度ではなく再現性を見ます。同じ手順でもう一度できるなら、その作業は身についています。できないなら、手順を小さく分け直します。
書き出して確認する
DAW画面の中だけで判断せず、外で聞くところまで進めます。
制作中は画面を見ているため、音そのものよりトラック名や波形に引っ張られます。書き出して外で聞くと、音量、流れ、退屈な場所、強すぎる音が見えやすくなります。
パンを試した後は、必ず短く書き出します。途中確認として書き出すと、次に直す一点が見えます。
最後に聞き返す時は、細部より流れを先に見ます。流れが聞こえるなら、細かい音色やミックスは後から直しても意味があります。
聞き返したら、良かった点を長く書く必要はありません。次に直す一点、残す一点、触らない一点だけをメモします。
次に進む基準
理解できたかではなく、次の工程へ渡せるかで判断します。
パンとは|左右の広がりの基本を理解したかどうかは、説明できるかだけでは決まりません。実際に音を出し、再生し、保存し、書き出して、次に触る場所が一つ見えているかで判断します。
進める基準は、音が鳴る、短く残る、聞き返せる、次に確認することが一つある状態です。この四つがそろえば、細部は後から直せます。
次の工程へ渡すものを決めます。設定を確認したなら音作りへ、音作りをしたなら構成へ、構成が見えたなら書き出しへ進みます。
検索へ戻る時も、検索語を具体的にします。音が出ない、保存できない、ドラムが弱い、サビへ行けない、のように工程名で探すと解決が早くなります。
パンの確認表
迷った時は、意味ではなく工程へ戻します。
| 順番 | 見る場所 | 判断 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 1 | 意味 | パンが何を見る言葉か決める | 定義だけで終わらせない |
| 2 | 短い確認 | 4小節で変化を聞く | 長い曲で試さない |
| 3 | 役割 | 曲の中で必要か見る | 単体判断にしない |
| 4 | 保存 | 変更前後を残す | 戻れる状態にする |
| 5 | 書き出し | 外で聞く | 次に直す一点を決める |
よくある疑問
パンは最初から覚える必要がありますか
細かい定義を暗記する必要はありません。まず制作中のどこを見る言葉なのかを確認し、短い音で試すことが大切です。
パンで迷った時は何から確認しますか
音が鳴るか、保存できるか、書き出して聞けるかを確認します。画面上の設定だけで判断しないことが重要です。
初心者でも今日試せますか
試せます。4小節だけ作り、変更前と変更後を保存して聞き比べるだけでも理解は進みます。
うまく聞こえない時はどうしますか
一度に全部直さず、音量、音域、タイミング、役割のどれか一つだけを見ます。
確認した情報
DAWや機能名は環境で変わるため、導入前に公式情報も確認してください。
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