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古賀稔宏の作曲ノート作曲・編曲家のDTM制作ノート

Dm/Gコードとは?読み方・構成音とG7との違い

古賀稔宏のプロフィール写真

作曲・編曲家 古賀 稔宏

「それいけ!アンパンマン」劇場版関連楽曲の作曲・編曲、Do As Infinity関連楽曲、アニメ楽曲、滝沢歌舞伎BGMなど、商業音楽の制作・演奏に携わる。担当作品と外部での確認先

Dm/Gは「ディーマイナー・オン・ジー」と読みます。Dmの和音(レ・ファ・ラ)を、一番低い音のソの上で鳴らすコードです。鳴る音はソ・レ・ファ・ラの4つだけ。キーCでは、Gの代わりに置いて、Cへ戻る直前を柔らかくする時に使います。

ここではDm/Gという1つのコードを、読み方、構成音、G7やG7sus4との違い、C-Am-Dm-Gに入れて試す手順、DAWでの打ち込み方の順に掘り下げます。単調な進行をベースの音で直す順番はコード進行が単調な時の直し方、4つのコードそれぞれの性格はコード進行はC-Am-Dm-Gから始めていいで扱っています。

先に見ること

Dm/Gは「上はDm、一番下はソ」。G7からシを抜いてラを足した、穏やかなGの仲間です。

  • 読み方はディーマイナー・オン・ジー。「Dm onG」と書かれていても同じコード
  • 構成音はソ・レ・ファ・ラ。Cへ引っ張るシが無いので、G7より穏やかにCへ戻る
  • 音の集まりとしてはG9sus4からドを抜いた形。Dm7/GにするとG9sus4と同じ音になる
  • 打ち込みは、ベースがソ、コードはDmのまま。トラックを役割で分けると迷わない

Dm/Gの読み方と表記の意味

斜線の左が上で鳴らす和音、右が一番低く鳴らす1音です。

斜線で区切られたコードを、分数コードと呼びます。左側(分子)が上で鳴らす和音、右側(分母)が一番低く鳴らす音です。Dm/Gなら、上でDmを鳴らし、一番下でソ(G)を鳴らします。分数の形をしていますが、割り算の意味はありません。

読み方は「ディーマイナー・オン・ジー」が一般的です。「ディーマイナー・オーバー・ジー」と読む人もいます。コード譜によっては「Dm onG」「Dm(on G)」と書かれますが、指している音は同じです。「onの後ろが一番低い音」と覚えておけば、どの書き方でも読めます。

読み違えやすいのは、右側の扱いです。Dm/Gを「Gのコードの上にDmを足す」と読むと、Gの和音(ソ・シ・レ)まで鳴らしてしまい、別の響きになります。右側は和音ではなく、1つの音です。Gと書いてあっても、鳴らすのはソの1音だけです。

度数で書くと、キーCではIIm/V(ツー・マイナー・オン・ファイブ)です。キーの2番目のコードを、5番目の音の上で鳴らす、という意味になります。この関係で覚えておくと、キーが変わっても同じ響きを作れます。キーGならAm/D、キーFならGm/Cです。

構成音と鍵盤での置き方

左手でソを1つ、右手でレ・ファ・ラ。白鍵4つで鳴ります。

Dm/Gで鳴る音は、ソ・レ・ファ・ラの4つです。どれも白鍵なので、黒鍵は使いません。鍵盤では次のように置きます。

  1. 左手で、低い位置のソを1つ押さえます。真ん中のドより1オクターブ以上下が目安です。
  2. 右手で、真ん中のドのすぐ上にあるレ・ファ・ラを同時に押さえます。Dmの基本の形そのままです。
  3. 左右を同時に鳴らします。

ピアノロールでも考え方は同じです。上の3つの点(レ・ファ・ラ)は、Dmと全く同じ位置に置きます。その下に、少し離してソを1つ置きます。先に上の3つを打ち、最後に下のソを足すと、Dmとの違いが「一番下の1音だけ」だと画面で確かめられます。

ソは右手の中に混ぜず、左手で低く鳴らします。右手の中にソを入れて、ファ・ソ・ラのように隣どうしで並べると、ぶつかった響きが目立ちます。すると「上はDm」という形が聞こえにくくなります。上の3音と下のソのあいだに隙間があるほど、耳は「上はDmの色、下は土台」と聞き分けやすくなります。

Gとの違いは「シ」が鳴らないこと

Cへ強く引っ張る音を抜くので、戻り方が穏やかになります。

キーCで、Gの次にCが来ると「帰ってきた」と感じます。この引っ張りを作っている中心は、シの音です。シはドの半音下にあり、ドへ上がりたがります。

G7になると、ここにファが加わります。ファはミへ下がりたがるので、シとファの2つが同時にCへ向かって引っ張ります。シとファは全音3つ分離れていて、この幅をトライトーンと呼びます。この2音が、G7の強い緊張感の正体です。

Dm/Gには、ソ・レ・ファ・ラはあっても、シがありません。ファは残っているので、Cへ向かう流れは消えません。ただ、一番強く引っ張るシが無いぶん、緊張も解決も一段穏やかになります。「Cへ戻るけれど、押し込まない」響きです。

もう1つの違いは明るさです。シは、Gをメジャーの明るい和音にしている音でもあります。シが無いDm/Gは、明るいとも暗いとも決まらない、少し宙に浮いた響きになります。上に乗っているのがDmなので、ほんのり陰りも混ざります。

使い分けの目安です。サビの終わりのように、はっきり「戻った」と聞かせたい所はG7。Aメロの途中やループの継ぎ目のように、流れを止めずに次へ渡したい所はDm/G。同じ位置でも、何を聞かせたいかで選び分けます。

G7sus4・G9sus4との関係

音を並べると、sus4系と多くの音を共有していることが分かります。

Dm/Gは「G7sus4の代わり」「G11のようなもの」と説明されることがあります。半分は当たっていて、半分は言い過ぎです。含まれる音を並べると、何が同じで何が違うかが見えます。

表の3度・4度は、ソから数えて何番目の音かという意味です(ソ=1、シ=3度、ド=4度)。sus4は、3度のシの代わりに4度のドを鳴らすコードです。

コード含まれる音(ソを一番下に)シ(3度)ド(4度)
Gソ・シ・レありなし
G7ソ・シ・レ・ファありなし
G7sus4ソ・ド・レ・ファなしあり
G9sus4(G7sus4にラを足した形。G11と書かれることも多い)ソ・ド・レ・ファ・ラなしあり
Dm/Gソ・レ・ファ・ラなしなし
Dm7/Gソ・レ・ファ・ラ・ドなしあり
F/Gソ・ファ・ラ・ドなしあり

表から読み取れることは3つあります。1つ目は、Dm/Gもsus4系のコードも、シを含まないことです。どちらも3度が無いので、明るい・暗いが決まりません。Dm/Gが「sus4っぽい」と言われるのは、この共通点のためです。

2つ目は、G7sus4の特徴であるドが、Dm/Gには入っていないことです。だから厳密には、Dm/GはG7sus4ではありません。音の集まりとして見ると、G9sus4からドを抜いた形にあたります。ドが無いぶん、sus4特有の「宙づり」の感じは弱まり、Dmの響きが前に出ます。

3つ目は、Dm7/GがG9sus4と同じ音の集まりになることです。Dmにドを足したDm7をソの上に置くと、ソ・ド・レ・ファ・ラがそろうからです。F/Gも、G9sus4からレを抜いた形です。Dm/G、Dm7/G、F/Gは、G9sus4という同じ家族から音を選んだ兄弟だと考えると整理できます。

どの名前で呼ぶのが正しいか、1つに決める必要はありません。コード譜の名前は、書いた人がどの音に注目したかで変わります。名前で迷ったら、実際に置き換えて鳴らし、耳で選びます。理論で手が止まりそうな時は先に鳴らす。これはレッスンでも繰り返し伝えている判断の順番です。

Dm/Gは転回形ではない

一番下の音が、上の和音に含まれているかどうかで分かれます。

分数コードは、性格の違う2種類に分かれます。見分け方は、右側の音が左側の和音に含まれているかどうかです。

Dm/Fで考えます。Dmはレ・ファ・ラなので、ファはもともとDmの中にあります。この場合は、一番下に来る音を並べ替えただけで、響きはDmのままです。こうした形を転回形と呼びます。単調な進行を直す記事で、ベースだけを変える例として出しているG/BやDm/Fは、こちらの種類です。

Dm/Gは違います。ソは、レ・ファ・ラのどれでもありません。和音の外から新しい音を一番下に足しているので、響きそのものが変わります。上の3音はDmでも、耳には「Gの仲間」として聞こえます。左側にDmと書いてあっても、働きはGの代わりです。

和音の外の音を一番下に置く分数コードは、ハイブリッドコードと呼ばれることもあります。呼び名は覚えなくて大丈夫です。大事なのは、Dm/Gを見たら「Dmの一種」ではなく「Gの代わり」と読むことです。だからDm/Gの次は、Gと同じように扱います。Cへ進んで落ち着かせるか、GやG7へ移ってから締めるかのどちらかを選ぶと、流れが崩れません。

C-Am-Dm-Gで置き換えて試す

4小節目のGをDm/Gにすると、右手は3小節目から動きません。

一番試しやすいのは、C-Am-Dm-Gの4小節目です。Gの小節を、Dm/Gに替えます。1〜3小節目は触りません。最初の1曲はこの4つを4小節に並べるだけで十分、というのがレッスンでの出発点なので、その土台をそのまま使います。4つの並べ方はC-Am-Dm-Gの記事で確認できます。

置き換えると、おもしろいことが起きます。3小節目のDmと4小節目のDm/Gは、右手の3音(レ・ファ・ラ)が全く同じです。動くのは一番下だけで、レからソへ移ります。上は鳴らしたまま、ベースだけが次へ進むので、3小節目から4小節目へは段差なくつながります。

1小節目へ戻る所も聞いてみてください。Dm/GからCへ移る時、右手はレ→ド、ファ→ミ、ラ→ソと、3音がそろって1段ずつ下がります。ベースはソからドへ移ります。どの音も近い場所へ動くので、Gから戻る時より角の取れた戻り方になります。

試す手順は次の通りです。

  1. 今のC-Am-Dm-Gを、別名で保存します。比べる元を残すためです。
  2. 4小節目のコードを消し、右手にレ・ファ・ラ、ベースにソを置きます。
  3. 4小節を2回ループ再生し、4小節目から1小節目へ戻る瞬間だけに耳を向けます。
  4. 元のGの版と交互に再生し、戻り方が「着地した」か「すべり込んだ」かを聞き比べます。

柔らかすぎて締まらないと感じたら、Dm/Gを前半2拍だけにして、後半2拍をG7に戻します。前半で浮かせて、後半で引き締める形です。逆にもっと浮かせたい時は、右手にドを足してDm7/Gにします。G9sus4と同じ音の集まりになり、さらにふわっと宙に残ります。気に入った形が決まったら短く書き出し、画面を見ずに元の版と並べて聞きます。

DAWで打ち込む時のトラックの分け方

ベースはソ、コードはDmのまま。役割で分けると打ち間違えません。

ベースとコード楽器を別々のトラックで作る場合、Dm/Gは2つのトラックで分担します。ベーストラックがソを弾き、ピアノやギターなどのコードトラックがDmを弾きます。2つが同時に鳴った時に、初めてDm/Gになります。

この分け方の良いところは、コードトラックを書き換えずに済むことです。3小節目のDmをそのまま4小節目まで伸ばし、ベースだけをソに変えれば完成します。コード譜にDm/Gと書いてあっても、コード楽器はDmだけを弾けばよい、という考え方です。

打ち込みでよくある間違いは3つです。

  • コードトラックにGの和音(ソ・シ・レ)を残したまま、Dmを足してしまう。シが鳴るので、Dm/Gではなく、にごった別の響きになります。
  • ベーストラックがレのまま。一番下がレなので、ただのDmに聞こえます。
  • ピアノ1台で弾く時に、左手のソを入れ忘れる。右手だけでは、やはりDmにしか聞こえません。

間違いを見つけるには、4小節目だけをループし、ベーストラックとコードトラックを片方ずつミュートして聞きます。ベースだけでソ、コードだけでレ・ファ・ラが鳴っていれば、正しく分担できています。どこかでシが鳴っていないかも、この時に確かめます。

ベースの音の選び方はベースはルート音から始めるに、点の置き方や長さの変え方はピアノロールの基本にまとめています。

ギターで弾く場合の押さえ方

いつものDmのオープンコードに、6弦のソを足します。

ギターでは、Dmのオープンコードに、6弦3フレットのソを足す形が弾きやすいです。6弦から順に書くと「3x0231」。6弦が3フレット、5弦はミュート、4弦は開放、3弦が2フレット、2弦が3フレット、1弦が1フレットです。

鳴る音を確かめると、6弦がソ、4弦の開放がレ、3弦がラ、2弦がレ、1弦がファです。ソ・レ・ファ・ラがそろっています。5弦は弾かずに止めます。開放のラが低い所で鳴ると、一番下のソのすぐ上で重なり、低音が重たく聞こえやすいからです。6弦3フレットは親指を回して押さえ、その親指の腹で5弦に軽く触れると止められます。届きにくい時の逃げ方は、下のよくある疑問に書いています。

似たコードとの早見表

迷ったら、シが要るかどうかの1点で選びます。

コード鳴らす音(下/上)響き向く場所
Gソ/シ・レまっすぐ明るい。Cへはっきり戻る迷った時の基本
G7ソ/シ・レ・ファ緊張が強く、戻った感じも一番強いサビ終わりなど、締めたい所
Dm/Gソ/レ・ファ・ラ少し浮いて穏やか。押し込まずに戻るループの継ぎ目、流れを止めたくない所
Dm7/Gソ/レ・ファ・ラ・ド浮遊感がさらに強い。G9sus4と同じ音しっとり次へ渡したい所
F/Gソ/ファ・ラ・ド明るさの残る浮遊感明るい曲の継ぎ目
G7sus4ソ/ド・レ・ファ宙づり。次にG7やCへ進みたくなるG7の手前で溜めたい所

表の上2つはシを含み、下の4つは含みません。Cへはっきり戻したいならシのあるG・G7、流れを止めずに渡したいならシの無いDm/G。迷った時は、この1点だけで選べば大きく外しません。

今日やることは1つです。手元のC-Am-Dm-Gの4小節目をDm/Gに替えて、元のGの版と聞き比べてください。ベースをソに変え、右手はDmのまま。別名で保存しておけば、気に入らなくてもすぐ戻せます。動き出した4小節にドラムやメロディを重ねていく順番は、無料の制作工程マップにまとめています。

よくある疑問

Dm/GとG7sus4は同じコードですか

同じではありません。G7sus4はソ・ド・レ・ファ、Dm/Gはソ・レ・ファ・ラです。どちらもシ(3度)を含まないので響きは近く、Gの代わりに使える点も共通しています。音の集まりとしては、Dm/GはG9sus4からドを抜いた形にあたります。

「Dm onG」とDm/Gは違うコードですか

同じコードです。onの後ろ、斜線の右側が一番低い音を表します。どちらも、Dm(レ・ファ・ラ)を一番低いソの上で鳴らします。読み方はディーマイナー・オン・ジーが一般的です。

Dm/Gの次は必ずCにしないといけませんか

一番素直なのはCです。キーCではGの代わりとして働くので、Cへ進むと自然に落ち着きます。Gより戻る力が穏やかなため、小節の前半2拍をDm/G、後半2拍をG7にして締める使い方もできます。迷ったらCへ進めてください。

ギターで6弦3フレットまで指が届きません

Dmだけを弾けば大丈夫です。ベースが入る曲なら、一番下のソはベースが担当します。弾き語りで1人の時だけ、6弦3フレットのソを足して3x0231の形にします。

コードの「床」を、先に用意しておく

C・Am・Dm・G の4小節ループMIDIと、90秒ワンコーラスの下地を無料でお送りしています。鳴らしながら鼻歌を乗せていけば、メロディを探す作業がぐっと楽になります。

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Dm/Gで4小節の継ぎ目が変わったら、ベースと進行全体の流れを整えます。

古賀稔宏のプロフィール写真

プロフィール

古賀 稔宏

ギター、ウクレレ、DTM(Cubase)、作曲技法、音楽理論を指導。14歳でギターを始め、同時に作曲も始める。ポップ、ロック、クラシックの要素を含む楽曲を得意とする。

商業音楽の制作・演奏に携わりながら、初心者が止まりやすい場所を制作工程に沿って整理している。

読んだあとに

この1本から、90秒の曲を書き出すところまで

楽器が弾けなくても、Cubaseで90秒の歌ものを完成させる。このサイトは、音出し → コード → ドラム → 鼻歌 → 90秒 の順に進む制作ノートです。今読んだ記事がどの工程にあたるかは、トップページで確かめられます。

書いている人:古賀 稔宏(作曲・編曲家)/担当作品と外部での確認先

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