DTMでJ-POP風の曲を作る始め方|Aメロからサビまで

作曲・編曲家 古賀 稔宏
「それいけ!アンパンマン」劇場版関連楽曲の作曲・編曲、Do As Infinity関連楽曲、アニメ楽曲、滝沢歌舞伎BGMなど、商業音楽の制作・演奏に携わる。
J-POP風の曲では、Aメロ、Bメロ、サビの役割を分けると流れが作りやすくなります。
この記事の結論
Aメロは抑え、Bメロで助走し、サビで音域と密度を上げます。コードと鼻歌メロディから始めます。
- サビを決める
- Aメロを作る
- Bメロで助走
- 解決したら、次の制作作業へ進む
この記事で解決すること
この記事では、いま起きている原因を順番に確認し、もう一度作業を進められる状態に戻します。
- J-POP風の曲を作りたい
- Aメロからサビまで作りたい
- 歌ものを作りたい
- サビを強くしたい
まず確認する順番
思いついた設定を一気に触らず、1つ確認して結果を見る。その順番を守ると、原因を見失いにくくなります。
- サビを決める
- Aメロを作る
- Bメロで助走
- ドラムを変える
- 90秒で聞く
確認の流れ
- 01サビを決める
- 02Aメロを作る
- 03Bメロで助走
比較表
最初に迷いやすいポイントを表で整理します。詳しい説明へ進む前に、自分に近い行を確認してください。
| 状態 | 見ること | 次にやること |
|---|---|---|
| Aメロ | 入口 | 抑える |
| Bメロ | 助走 | 少し上げる |
| サビ | 主役 | 音域を上げる |
| ラスト | 余韻 | 終わりを作る |
まず結論
Aメロは抑え、Bメロで助走し、サビで音域と密度を上げます。コードと鼻歌メロディから始めます。
最初に見るのは、サビのメロディです。ここを飛ばして細部へ入ると、作業量は増えても曲は前へ進みにくくなります。
頭の中の音を外へ出す
メロディは、最初から鍵盤で正しく弾けなくても作れます。頭の中で鳴っているものを、まず口に出して録音します。音程が少し外れていても、上がる、下がる、伸ばす、止まるという形が残れば、あとでMIDIへ移せます。
ここで大事なのは、きれいに歌うことではありません。まだDAWの中に存在しない音を、外から見える素材にすることです。素材になれば、ピアノロールで近い音へ直せます。
どこで止まりやすいか
J-POP風の曲で止まる時は、原因を一つに決めつけない方が安全です。素材が足りないのか、役割が決まっていないのか、聞き返す範囲が広すぎるのかを分けます。
特に初心者は、最初から全パートを作ることへ戻りがちです。しかしそこだけを触っても、曲全体の流れが見えていなければ同じ場所で止まります。
最初に作る小さい形
最初から大きく作らず、8小節でJ-POP風の曲を確認するところまで小さく作ります。短い範囲なら、失敗しても戻りやすく、何が良くなったかも判断しやすくなります。
この段階では完成度より、短く聞いて判断できる状態があるかを見ます。細かい音色や処理は後から直せます。
DAW上で見る順番
DAWを開いたら、まず役割、場所、長さ、聞き返しの順に見ます。画面の細かい機能を触る前に、曲の中で必要な場所だけを確認します。
見ている場所が決まると、不要な操作が減ります。必要な操作だけに絞ることで、制作の時間を曲そのものに使えます。
8小節で確認する
J-POP風の曲は、まず8小節で確認します。8小節なら、同じ素材の繰り返しと小さな変化の両方を聞けます。
ここでJ-POP風の曲が曲の中で働いているかを確認します。8小節で成立しないものをフルコーラスへ広げると、弱さもそのまま長くなります。
90秒ワンコーラスへつなぐ
8小節で核が見えたら、90秒ワンコーラスへ並べます。Aメロ、Bメロ、サビ、終わりのどこでJ-POP風の曲を使うかを決めます。
90秒は最終ゴールではありません。フルコーラスへ広げる前に、曲の入口、展開、盛り上がり、終わり方を小さく確認する場所です。
フルコーラスで見ること
フルコーラスでは、J-POP風の曲が最後まで邪魔にならないかを見ます。1番で良く聞こえたものでも、2番、間奏、ラストまで続くと印象が変わることがあります。
全体で使う時は、同じ形をただ貼るのではなく、場面ごとに密度、音域、休み、強さを変えます。
よくある失敗
よくある失敗は、J-POP風の曲だけを単体で触り続けることです。これは能力の問題ではなく、見る順番がずれている時に起きやすい停止です。
失敗したら、全部を直すのではなく、J-POP風の曲の役割へ戻ります。戻る場所が決まっていると、制作を投げ出さずに済みます。
書き出して判断する
J-POP風の曲がある程度できたら、短く書き出して聞きます。DAW画面を見ながら聞く時と、音声ファイルとして聞く時では印象が変わります。
書き出しでは、曲として自然に聞こえるかを確認します。画面上で正しく見えるかより、曲として自然に聞こえるかを優先します。
次の作業へ進む
ここまで確認できたら、次は90秒ワンコーラスへ進みます。今の作業だけで曲は完成しませんが、次の工程へつながれば十分です。
制作では、1つの作業を完璧にしてから次へ進むより、仮で通して聞き返す方が完成に近づきます。
判断を一つに絞る
J-POP風の曲を見る時は、判断を一つに絞ります。全部を同時に良くしようとすると、どこを直した結果なのか分からなくなります。
今日はJ-POP風の曲で今日見ることだけを見る、と決めると作業が前へ進みます。
判断を絞ることは、作業を雑にすることではありません。直す場所を明確にするための準備です。
足す前に役割を決める
J-POP風の曲を足す前に、曲の中での役割を決めます。主役なのか、支えなのか、場面転換なのかで作り方は変わります。
役割がない音は、たとえ単体で良くても曲の中で邪魔になることがあります。
先に役割を決めると、音数を増やしすぎずに済みます。
同じ素材を使い回す
曲を広げる時、毎回すべてを新しく作る必要はありません。同じ素材を少し変えて使います。
同じ素材を少しだけ変えるのように変えると、統一感を残したまま場面差を作れます。
使い回しは手抜きではありません。曲としてまとまりを作るための方法です。
音数より流れを見る
音が少ないことより、流れがないことの方が曲を止めます。
次の場面へ進む感じが聞こえれば、音数が少なくても曲として進みます。
逆に音数が多くても、流れがなければ長く聞くのが難しくなります。
直す順番を決める
J-POP風の曲がうまくいかない時は、役割、長さ、強さの順に直します。
順番を決めずに触ると、良くなった場所と悪くなった場所が混ざります。
最初に土台、次に流れ、最後に細部を見ると、修正が安定します。
他のパートと一緒に聞く
J-POP風の曲は単体で判断しすぎないことが大切です。
コード、ドラム、メロディと一緒に聞くと、曲の中で本当に効いているかが分かります。
単体で良くても、曲の主役を隠しているなら調整が必要です。
途中で保存する
大きく直す前に、今の状態を保存します。戻れる状態があると、思い切って試せます。
変更前の状態を保存しておくと、失敗した時に戻りやすくなります。
制作では、戻れることも前へ進むための条件です。
聞き返しの基準
聞き返す時は、上手いか下手かだけで判断しません。
次に直す場所が見えるかを基準にすると、次に直す場所が見えます。
感想ではなく、次の作業を決めるために聞き返します。
完成までの置き場所
J-POP風の曲は、完成までのどこか一箇所だけで使うものではありません。
8小節、90秒、フルコーラスのそれぞれで役割と変化を見ます。
同じ考え方を段階ごとに使うと、短い練習が完成曲へつながります。
今日やること
今日やることは、J-POP風の曲を8小節で確認するです。
作業を広げすぎず、ひとつの確認だけを終わらせます。
終わったら短く書き出して、次に直す場所を一つだけ決めます。
状態別の見方
同じ悩みに見えても、見る場所が違うことがあります。今の状態に近い行から確認してください。
| 今起きていること | 見る場所 | 次にやること |
|---|---|---|
| J-POP風の曲を作りたい | サビを決める | 次に確認する項目を選ぶ |
| Aメロからサビまで作りたい | Aメロを作る | 次に確認する項目を選ぶ |
| 歌ものを作りたい | Bメロで助走 | 次に確認する項目を選ぶ |
| サビを強くしたい | ドラムを変える | 次に確認する項目を選ぶ |
15分で確認すること
最初は範囲を広げすぎず、下の項目だけを順番に見ます。
- サビを決める
- Aメロを作る
- Bメロで助走
- ドラムを変える
ここで原因が見えたら、直った操作を残して次の作業へ進みます。
30分かけて見る場合
15分で解決しない場合だけ、少し広い範囲を確認します。
- 90秒で聞く
ここまで確認しても解決しない場合は、環境、プロジェクト、作業手順を分けて切り分けます。
次の制作作業へつなげる
問題が片付いたら、調べ物で止まらず、手を動かす作業へ戻ります。
今の問題を解決したら、調べ物を続けるより、実際の制作作業へ戻ることが大事です。
短い確認で手を動かし、次の判断材料を作ることで、1曲完成までの流れが切れにくくなります。
実践ワーク
読んだあとにやること
- サビを決める
- Aメロを作る
- Bメロで助走
- ドラムを変える
読むだけで終わらせず、短く確認して制作へ戻ることが大事です。
よくある質問
J-POP風は何から作りますか
サビのメロディとコードから始めると進めやすいです。
Bメロは必要ですか
サビへの助走が欲しい場合に使います。
歌詞はいつ入れますか
メロディの形が見えてからでも構いません。
よくある失敗
分からないことがある時ほど、確認する順番を決めて一つずつ戻ることが大切です。
- サビを決めない
- Aメロから音数が多い
- Bメロの役割がない
- メロディを後回しにする
次に読む記事
今の問題が解決したら、次は曲作りを止めやすい別のポイントも確認しておきます。
無料の制作工程マップ
DTMで次に何をすればよいか迷った時のために、音出しから1曲完成までの流れをまとめた制作工程マップをお送りします。