DTMでロック曲を作る始め方|ギター・ドラム・ベースの役割

作曲・編曲家 古賀 稔宏
「それいけ!アンパンマン」劇場版関連楽曲の作曲・編曲、Do As Infinity関連楽曲、アニメ楽曲、滝沢歌舞伎BGMなど、商業音楽の制作・演奏に携わる。
ロック曲は、ギターだけでなくドラムとベースの支えで勢いが出ます。
この記事の結論
まずドラムの8ビート、ルート中心のベース、コードを弾くギターを置き、サビで音域と密度を上げます。
- 8ビートを置く
- ベースを置く
- ギターコードを置く
- 解決したら、次の制作作業へ進む
この記事で解決すること
この記事では、いま起きている原因を順番に確認し、もう一度作業を進められる状態に戻します。
- DTMでロックを作りたい
- ギター曲を作りたい
- バンドっぽくならない
- ロックのドラムとベースを知りたい
まず確認する順番
思いついた設定を一気に触らず、1つ確認して結果を見る。その順番を守ると、原因を見失いにくくなります。
- 8ビートを置く
- ベースを置く
- ギターコードを置く
- サビを決める
- 録音や打ち込みを確認する
確認の流れ
- 018ビートを置く
- 02ベースを置く
- 03ギターコードを置く
比較表
最初に迷いやすいポイントを表で整理します。詳しい説明へ進む前に、自分に近い行を確認してください。
| 状態 | 見ること | 次にやること |
|---|---|---|
| ドラム | 勢い | 8ビート |
| ベース | 低音 | ルートで支える |
| ギター | コード | リズムを作る |
| サビ | 広がり | 音域を上げる |
まず結論
まずドラムの8ビート、ルート中心のベース、コードを弾くギターを置き、サビで音域と密度を上げます。
最初に見るのは、ドラムとギターの役割です。ここを飛ばして細部へ入ると、作業量は増えても曲は前へ進みにくくなります。
口で歌えるリズムから置く
ドラムは、知識名から入るより口で歌える形から入る方が止まりにくくなります。ドン、タン、ツツツのように言えるものを、キック、スネア、ハイハットへ置き換えます。
最初は複雑なフィルや細かい強弱より、4小節目と8小節目に少しだけ合図を作ります。ベタ打ちが機械的に聞こえる時も、乱数で揺らす前に、どこで次の場面へ進むかを決めます。
どこで止まりやすいか
ロック曲で止まる時は、原因を一つに決めつけない方が安全です。素材が足りないのか、役割が決まっていないのか、聞き返す範囲が広すぎるのかを分けます。
特に初心者は、ギター音色だけで作ろうとすることへ戻りがちです。しかしそこだけを触っても、曲全体の流れが見えていなければ同じ場所で止まります。
最初に作る小さい形
最初から大きく作らず、8小節でロック曲を確認するところまで小さく作ります。短い範囲なら、失敗しても戻りやすく、何が良くなったかも判断しやすくなります。
この段階では完成度より、短く聞いて判断できる状態があるかを見ます。細かい音色や処理は後から直せます。
DAW上で見る順番
DAWを開いたら、まず役割、場所、長さ、聞き返しの順に見ます。画面の細かい機能を触る前に、曲の中で必要な場所だけを確認します。
見ている場所が決まると、不要な操作が減ります。必要な操作だけに絞ることで、制作の時間を曲そのものに使えます。
8小節で確認する
ロック曲は、まず8小節で確認します。8小節なら、同じ素材の繰り返しと小さな変化の両方を聞けます。
ここでロック曲が曲の中で働いているかを確認します。8小節で成立しないものをフルコーラスへ広げると、弱さもそのまま長くなります。
90秒ワンコーラスへつなぐ
8小節で核が見えたら、90秒ワンコーラスへ並べます。Aメロ、Bメロ、サビ、終わりのどこでロック曲を使うかを決めます。
90秒は最終ゴールではありません。フルコーラスへ広げる前に、曲の入口、展開、盛り上がり、終わり方を小さく確認する場所です。
フルコーラスで見ること
フルコーラスでは、ロック曲が最後まで邪魔にならないかを見ます。1番で良く聞こえたものでも、2番、間奏、ラストまで続くと印象が変わることがあります。
全体で使う時は、同じ形をただ貼るのではなく、場面ごとに密度、音域、休み、強さを変えます。
よくある失敗
よくある失敗は、ロック曲だけを単体で触り続けることです。これは能力の問題ではなく、見る順番がずれている時に起きやすい停止です。
失敗したら、全部を直すのではなく、ロック曲の役割へ戻ります。戻る場所が決まっていると、制作を投げ出さずに済みます。
書き出して判断する
ロック曲がある程度できたら、短く書き出して聞きます。DAW画面を見ながら聞く時と、音声ファイルとして聞く時では印象が変わります。
書き出しでは、曲として自然に聞こえるかを確認します。画面上で正しく見えるかより、曲として自然に聞こえるかを優先します。
次の作業へ進む
ここまで確認できたら、次は90秒ワンコーラスへ進みます。今の作業だけで曲は完成しませんが、次の工程へつながれば十分です。
制作では、1つの作業を完璧にしてから次へ進むより、仮で通して聞き返す方が完成に近づきます。
判断を一つに絞る
ロック曲を見る時は、判断を一つに絞ります。全部を同時に良くしようとすると、どこを直した結果なのか分からなくなります。
今日はロック曲で今日見ることだけを見る、と決めると作業が前へ進みます。
判断を絞ることは、作業を雑にすることではありません。直す場所を明確にするための準備です。
足す前に役割を決める
ロック曲を足す前に、曲の中での役割を決めます。主役なのか、支えなのか、場面転換なのかで作り方は変わります。
役割がない音は、たとえ単体で良くても曲の中で邪魔になることがあります。
先に役割を決めると、音数を増やしすぎずに済みます。
同じ素材を使い回す
曲を広げる時、毎回すべてを新しく作る必要はありません。同じ素材を少し変えて使います。
同じ素材を少しだけ変えるのように変えると、統一感を残したまま場面差を作れます。
使い回しは手抜きではありません。曲としてまとまりを作るための方法です。
音数より流れを見る
音が少ないことより、流れがないことの方が曲を止めます。
次の場面へ進む感じが聞こえれば、音数が少なくても曲として進みます。
逆に音数が多くても、流れがなければ長く聞くのが難しくなります。
直す順番を決める
ロック曲がうまくいかない時は、役割、長さ、強さの順に直します。
順番を決めずに触ると、良くなった場所と悪くなった場所が混ざります。
最初に土台、次に流れ、最後に細部を見ると、修正が安定します。
他のパートと一緒に聞く
ロック曲は単体で判断しすぎないことが大切です。
コード、ドラム、メロディと一緒に聞くと、曲の中で本当に効いているかが分かります。
単体で良くても、曲の主役を隠しているなら調整が必要です。
途中で保存する
大きく直す前に、今の状態を保存します。戻れる状態があると、思い切って試せます。
変更前の状態を保存しておくと、失敗した時に戻りやすくなります。
制作では、戻れることも前へ進むための条件です。
聞き返しの基準
聞き返す時は、上手いか下手かだけで判断しません。
次に直す場所が見えるかを基準にすると、次に直す場所が見えます。
感想ではなく、次の作業を決めるために聞き返します。
完成までの置き場所
ロック曲は、完成までのどこか一箇所だけで使うものではありません。
8小節、90秒、フルコーラスのそれぞれで役割と変化を見ます。
同じ考え方を段階ごとに使うと、短い練習が完成曲へつながります。
今日やること
今日やることは、ロック曲を8小節で確認するです。
作業を広げすぎず、ひとつの確認だけを終わらせます。
終わったら短く書き出して、次に直す場所を一つだけ決めます。
状態別の見方
同じ悩みに見えても、見る場所が違うことがあります。今の状態に近い行から確認してください。
| 今起きていること | 見る場所 | 次にやること |
|---|---|---|
| DTMでロックを作りたい | 8ビートを置く | 次に確認する項目を選ぶ |
| ギター曲を作りたい | ベースを置く | 次に確認する項目を選ぶ |
| バンドっぽくならない | ギターコードを置く | 次に確認する項目を選ぶ |
| ロックのドラムとベースを知りたい | サビを決める | 次に確認する項目を選ぶ |
15分で確認すること
最初は範囲を広げすぎず、下の項目だけを順番に見ます。
- 8ビートを置く
- ベースを置く
- ギターコードを置く
- サビを決める
ここで原因が見えたら、直った操作を残して次の作業へ進みます。
30分かけて見る場合
15分で解決しない場合だけ、少し広い範囲を確認します。
- 録音や打ち込みを確認する
ここまで確認しても解決しない場合は、環境、プロジェクト、作業手順を分けて切り分けます。
次の制作作業へつなげる
問題が片付いたら、調べ物で止まらず、手を動かす作業へ戻ります。
今の問題を解決したら、調べ物を続けるより、実際の制作作業へ戻ることが大事です。
短い確認で手を動かし、次の判断材料を作ることで、1曲完成までの流れが切れにくくなります。
実践ワーク
読んだあとにやること
- 8ビートを置く
- ベースを置く
- ギターコードを置く
- サビを決める
読むだけで終わらせず、短く確認して制作へ戻ることが大事です。
よくある質問
ギターが弾けなくても作れますか
打ち込みやループで入口は作れます。
ロックは何から作りますか
ドラムとコードの土台から始めます。
ベースは必要ですか
低音の支えとして重要です。
よくある失敗
分からないことがある時ほど、確認する順番を決めて一つずつ戻ることが大切です。
- ギターだけ大きくする
- ドラムが平坦
- ベースを見ない
- サビの密度差がない
次に読む記事
今の問題が解決したら、次は曲作りを止めやすい別のポイントも確認しておきます。
無料の制作工程マップ
DTMで次に何をすればよいか迷った時のために、音出しから1曲完成までの流れをまとめた制作工程マップをお送りします。